実力上げて上がれ。

私ももう78歳となると、若い人と話す時には何か伝えてやりたいなぁと色々話してしまうんです。でその時に必ず伝えてることがあるんですけど、やっぱり自分の人生を持って何がしたいかってね、それを見つけるに早い遅いはあると思うんです。でも見つかってても見つかってなくても、まずは自分の利益だけ考えて動くんやなくて、ちょっとでも人様が喜んでくれることを考えて、一生懸命やることからやと思うんです。一生懸命信念持って 一貫して継続できたなら、必ずその頃にはちょっと前進してて、知らんとこから助け舟なんか現れることもあるので。

あのぉ、熱意っちゅうのは必ず伝わるんですよ。私なんか18から働いて18年間呉服屋で修行して、30代後半で独立しましたけど、まぁそりゃ上手くいかん時期もありました。でもそれでも信念持って、良いことやってたら必ず良い人に出会えると信じて10年続けました。それで10年目にしてやっと色んなチャンスや繋がりが広がって、なんとか呉服屋で60年やってこれてるわけですよ。

でもとにかくね、こうやって話しながら過去を振り返ると確かに浮き沈みはあったんです。あったんですけど、でも、実力だけはその都度磨き続けてきたと言えるんとちゃうかなぁと思うんです。

やっぱり良い仕事をしてても実力が伴ってなかったら、自分より上にいる人たちが見た時に分かるんです、一瞬で。「あ、こいつ頑張ってるからもっと伸ばしてやりたいな」とか、反対に「あ、違うな」って。本物には全部分かるんですよね。

だからこそ人生の勉強は怠ったらあかんと思ってきました。自分が中途半端で良いならそこで居心地よく暮らすのも一つでしたけど、でもスポーツやどの分野でも代表となる人は、また高みで質高い人達と出会うでしょ。だから実力上げて上がれと自分を鼓舞しましたね。

若い人には私と違ってたくさんの時間があります。だから出来ることならどんな土俵であれ 自分の柱とするものには日本一目指して取り組んでほしいです。一番になるいうことは専門分野だけやなくて、余計なこともいっぱい勉強しないかんでしょ。で一見これが遠回りに見えるんですけど、実は大きなプラスになるんです。だから時間はうんとかかりますが、でも努力してる時いうのは楽しめて、なんというか、生きることの本当の喜びみたいなもんにも気付く瞬間がきます。

ちょっとこの後まだ予定があるもんで、このへんで。まぁどうぞ日本一目指して、続けてください。続けてないと柱も緩むので気をつけて。

(2枚目 - 撮影させていただいた2枚の写真を印刷し額に入れ、後日お店を訪ねた）