私は戦争に絶対反対。

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私は戦争に絶対反対。 命を奪い合うことに何の意味があるのか。 私が小学校5年生の頃。 ここ新開地は焼け野原になった。 第二次世界大戦の爆弾が落ちたから。 小学生ながら 死を覚悟した。 空気は透明だって習ったけど、灰色がある事を知った。 ミサイルがこの街を襲った時、 私はここにいて、必死に逃げようとしてた。 持てるものは全て持って外に出て、とにかく走った。 でもふと周りをみると そこには何人もの苦しむ人たちがいて。 それにこの街はミサイルにやられて 火の海と化してた。 熱い。 「私に何ができる?」そう思った時、 横には火を消すポンプがあった。 今で言う “自転車の空気入れ”型で、 人が押せば水が出てくるってものだった。 私はとにかく力一杯ポンプを押し続け、 火の力を抑えようとした。 すると一人の男性が私に気づいてこっちに急いで走ってくる。 「二人でやった方が早い」って言っておじちゃんは 私の後ろに置かれてあったもう一台のポンプに手をやり協力してくれた。 でも火の勢いは弱まらなくて、むしろ大きくなっていた。 その時。 横の建物が崩れておじちゃんの所まで炎が襲い掛かった。 おじちゃんはまともにくらって、 一瞬にして丸焦げになった。 ポンプを一生懸命握りしめ、 必死な顔をしたまんま立って死んだ。

この街を後にした私たちは神戸駅の近くの小学校へ避難した。でも戦争中は恐怖でいっぱい。寝れるはずがない。じっともしてられず、何度も立っては窓からグラウンドや壊れた街を眺めた。でも外を見ても何人もの倒れた死体が目に映る。気が休まらない。そんな時やった。私は緑に光るフワフワとした小さなものがグラウンドに浮かんでは消えていくのを見た。数分後にも、また数分後にも。場所はバラバラ。なんなんだろ?と思い目を凝らすと、人間の死体から浮かび上がってくるのがはっきりと分かった。びっくりして近くの人に寄った。「何あれ!」すると「リン」だと教えてくれた。人が死んだ後、魂が抜けていく瞬間にポッと浮かび上がるそう。魂は目に見える、私はその時に知った。今では私世代の人しか知らないが新開地ってそんな場所。若い人へ語り継ぐべき話は山程あるんよ。

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どうしてもっと、優しい言葉をかけてやらなかったのか

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もぅばばあにもなったら歯なんてええんじゃ。